『きょうのわんこ』4年分を真剣に見る
はじめに
フジテレビ系列で放送されている『めざましテレビ』のコーナー、
『きょうのわんこ』をまとめて4年分全て見た。その個人的な感想をまとめる。
※オモコロ杯2021にて銅賞を頂戴しました。誠にありがとうございます。
事の発端は2020年11月。
ひょんなことからインターネット配信サービスのFODプレミアムに加入した。
何の気なしに眺めていたら、妻が突然「『きょうのわんこ』を見よう」と言ってきた。
私はためらった。
どうせ、トイ・プードルが
ひたすら飛び跳ねているだけの映像ばっかりなんだろう？と思った。
プードル好きの人には申し訳ないが、私は耳と鼻がシュッと立っている
「いかにも犬」という顔立ちの犬種が好きなのである。
例えば、コーギーや、柴犬、チワワなどが好きだ。
しかし、本当にプードルばかりの映像なのだろうか？
『きょうのわんこ』に最も多く登場する犬種を、この目で確かめたい。
私は、『きょうのわんこ』4年分を全て見ることにした。
申し遅れましたが、naki-wankoと申します。
この度、『きょうのわんこ』に登場する、
犬種ランキングを勝手にまとめてみました。
どうかお付き合いください。
※調べた対象期間は、FODプレミアムで閲覧できた
2017年9月から2020年10月分までの
No.5458～6232のわんこたちとしています。
いきなりですが：最も多く登場したわんこ
早速ですが、調べた結果をご覧いただきたい。
つまんね～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～
※ちなみに4位はミニチュアダックスフンド(41回/5.3%)
5位はチワワ(38回/4.9%)という結果に。
全体で64種類もの犬種が登場するため、
登場回数が1桁代のわんこも47種(約15%)いる。
その中で、ぶっちぎりの132回も出てくる
トイ・プードルは本当にすごい。
実際700本以上拝見したが、
トイ・プードルと柴犬ばっかり出てくるなと思っていた。
何となく予想はついていたが
…予想通り過ぎる結果になってしまった。
しかも2位、雑種とあるが
ほとんどがいわゆるミックス犬だ。
チワワとポメラニアンとか、
流行りの、意図して可愛い組み合わせのわんこである。
しかも必ずといっていいほど
トイ・プードルと柴犬の両親から生まれました
など、番組中に解説が入る。
絶対、飼い主のプライドで説明を入れてもらっているに違いない。
ちなみに、実際の人気犬種ランキングと比べてもあまり変わらない。
1位：トイ・プードル
2位：ミックス犬
3位：チワワ
4位：柴犬
下記URL ブリーダーナビより引用
https://www.breeder-navi.jp/column/knowledge/preparation/dog-ranking/
ミックス犬(雑種)は病気になりづらいことや
販売価格が安くなるというメリットもあるらしいので
一概には悪く言えない。
しかし、このままではなんかつまらないので、
個人的に気づいたことをまとめていきたい。
『きょうのわんこ』に隠されたフォーマット
『きょうのわんこ』では、名前・わんこの基本情報・一緒に暮らしている背景（なぜ・いつ・どこから来た）が必ず冒頭で紹介される。
例えば
宮城県で生まれて生後2ヵ月でやって来た初めてのわんこです。
そんな「はな」は、散歩から帰ると楽しみにしている事があるんです。6229 ばん - めざましテレビ｜きょうのわんこ - フジテレビ
2020年10月放送『はなちゃん（柴犬）』のエピソードから引用。
といった感じで生い立ちについてのエピソードや
好きなものごとの紹介が多い。
他の例として、
とある事情で飼えなくなった前のご主人のもとからやってきたわんこ とか
一戸建ての購入と共に、はじめてやってきたわんこ とか
十匹十色のエピソードが必ず盛り込まれている。
基本エピソードを紹介したあとで、
メイントピックに移る。
例えば、
窓から外を眺める とか
おやつをおねだりする可愛い動き とか
散歩中の変わった行動 とか
いわゆる"サビ"の部分となる面白可愛い一面を紹介する。
(もちろん、ドキュメンタリーならではの感動エピソードもある)
そして最後に、西山アナウンサーの声でおなじみの、
今日も高い所から、のんびりと町の様子を眺めて過ごす「はな」なのでした。
（例文は先ほど引用した『はなちゃん（柴犬）』のエピソードより。）
という締めの言葉で番組は幕を閉じる。
何を当然のことを言っているのだ、と思われたかもしれない。
しかし、これまで『きょうのわんこ』を見る時は
学校行くのだるいなとか、
皿洗いめんどくせーなとか、
もう家出なきゃとか、
いつも別のことに意識を向けながら、
視界の端に捉える感じで視聴していた。
きっと皆さんも同じではないかと思う。
しかし、『きょうのわんこ』をじっくり見たことによって
約1分間の集約された番組に、
ある種のフォーマットがあるということに気づかされ、
なんだか今まで損をしていたのではないか、
という気持ちにさせられたのである。
『きょうのわんこ』の全体の流れは、下記のようにまとまっている。
- ジングル(桜や海、紅葉、雪景色など、季節ごとに背景が変わる)
- わんこの基本情報（住まいや名前、犬種、一緒に暮らしている背景など。)
- メイントピック
- 締めの言葉
放送フォーマットに従い、
私の「きょうのわんこまとめ」も
下記のような項目で集計した。
- 放送年月
- ジングルの背景
- 登場ナンバー
- 都道府県・市区町村
- わんこの名前
- 犬種
- 性別
- 色(筆者の独断)
- 基本情報
- メイントピック
- ジャンル
※後で見返しやすくするために
かわいい・面白い・お利口・感動・すごいの
5ジャンルで私が勝手に分類分けしました。
集計方法は、下記のような感じで
『きょうのわんこ』をひたすら流しながら、エクセルにまとめていた。
ちょうどクリスマスが近かった。
わんこを見すぎたためか、無意識ににゃんこのぬいぐるみを2体も手元に置いていた。
慣れるまで気が狂いそうになるほど大変だった。何度も心が折れそうになった。
なお、集計項目に締めの言葉を入れていないのは
私のタイピングが間に合わなかったためだ。
ちなみに、先ほど転載させていただいたリンクにもあるように
フジテレビの公式ウェブサイトでもバックナンバーがしっかりまとめられている。
そこにしっかりと西山アナウンサーの締めの言葉も記載されているから、
もうそこは聴きに徹するでいっか、とも思えたのである。
きょうのわんこ・バックナンバー めざましテレビ｜きょうのわんこ - フジテレビ
バックナンバーの存在に気付いたとき、
「俺は、何のためにこんなことやっているんだろう。」という気持ちになったし
またしても心が折れそうになった。っていうかもう折れていた。
それでも、やるのだ。
表に集計することに価値があるのだ。
気持ちを奮い立たせ、エクセルにまとめてきた。
引き続き、個人的な気づきをまとめていく。
もう少しお付き合いいただきたい。
小さな気づき①：ジングルの楕円球が突如なくなる
『きょうのわんこ』のジングルでは、タイトルコールの直後
子犬が画面を駆け巡る際、カラフルな物体を追いかけていた。
しかし、2020年4月放送分から、楕円球が消えるのだ。
エクセルをまとめている間も、あの球は何だったんだろう、と気になっていた。
ぶっちゃけうっとうしいくらいに感じていたものだが、急になくなるのも、それはそれで腑に落ちない。
年度が変わるタイミング(4月)で、心機一転したのだろうか。
テレビ局のお偉いさんが
「あの球ナニ？なんであるの？いらんくない？トっちゃおうよ。」って言ったのだろうか。
それとも担当者が変わって、
「俺は前からずっと、あの球いらないって思ってた。」とかいう打合せがあったのだろうか。
機会があれば制作した人たちに聞いてみたい。
小さな気づき②：連続で同じ地域のわんこを特集しがち
例えば、一度愛知県のわんこが登場すると、
以降５～６回くらいは愛知県のわんこが登場する。
確かに、わんこ1匹を特集して、
「じゃっ、ひつまぶし食べて帰ろうか。」なんてわけにはいかない。
きっと地域ごとに取れ高が決まっているんだろうなと想いをはせていた。
（もしかしたら地方の系列局に撮影依頼しているのかもしれないが…）
アメリカ編もあった。ジングルも1回ごと変わっててしんどかった。
コトン・ド・テュレアールという犬種が唯一登場する。
全然わんこにフォーカスしていないじゃねーかと言われるのが怖いので、
いよいよわんこに関する気づきを書いていく。
わんこに関する感想①
わんこたち、生後2か月のときに来がち。
冒頭ご説明した、基本情報のとき
「生後2か月のときにやってきました」として
紹介されるわんこがめちゃめちゃ多い。
その数なんと、149回。
トイ・プードルの登場回数より多い。
わんこを飼っていたときの記憶なので定かではないが、
確かわんこは生後3か月にならないと散歩ができないはず。
おそらく、2か月を目安に迎え入れて
自宅に慣れさせていくのかもしれない。
私も、初めてわんこの散歩をする日が
楽しみで仕方なかったことを覚えている。
その日は学校から早く帰りたくて仕方がなかった。
…が帰宅して、初めての散歩はじいちゃんが行っていた。
ぶち切れした記憶がある。
わんこに関する感想②
カニーンヘンダックスフンドとミニチュアダックスフンド、区別つかない。
そもそも私はカニーンヘンダックスフンドという犬種を知らなかった。
調べてみると、カニーンヘンダックスフンドかミニチュアダックスフンドかどうかは
ウエストのサイズで決まるらしい。
ダックスフンドは奥が深い。
わんこに関する感想③
メイントピックの展開、読めがち。
主に、こんな感じのが多かった。
〈鳴く系〉
・夕方、街のチャイムに吠える。
・子どもの楽器(リコーダーやピアノ)と一緒に鳴く。
〈散歩系〉
・散歩中、枝や石、ペットボトルを拾う。
・途中で(あるいは最初から)歩かない。
あるいは、帰宅を嫌がる。
時にはベビーカーに同乗する。
〈食事系〉
・おやつが欲しくて、2足歩行する。
・お皿を自ら持ってくる。
・納豆をやたらほしがる。
〈看板犬系〉
・ご主人の営業する会社や老舗
リラクゼーション施設などの
看板犬
⇒じっとしているスタイルと
邪魔するスタイルにわかれる
〈生活・感動系〉
・捨てられていたところを保護されたが
今は家族と仲良く暮らしている
・一緒に住んでいるわんこやペットと
仲良く暮らしている
ちなみに、
『めざましテレビ』を欠かさず見ている
というわんこもよく見た気がする。
最後に、個人的な『今日のわんこ』ベスト3をご紹介したい。
個人的な『きょうのわんこ』ベスト３
たびたび勝手ながら、個人的『きょうのわんこ』ベスト3を発表する。
選考基準は、私が何度も見返してしまうほど個性的なものや、
映像を止めなければならないほどに笑ってしまったかどうかである。
1,000本以上の『きょうのわんこ』をまとめ見終わっても、
なお鮮明に覚えている内容をチョイスさせていただいた。
第3位：2020年6月放送 プリッツくん(ヨークシャー・テリア)
散歩中暑くなると水を飲むという、
どこにでもありそうなエピソードなのだが
水鉄砲で給水するわんこなのである。
その水鉄砲が面白いのだ。下記をご覧いただきたい。
6145 ばん - めざましテレビ｜きょうのわんこ - フジテレビ
画像は上記リンクより引用
本当に水鉄砲か？？
リボルバーついてるけど？
マジに銃口を突き付けられているように見えるし、
もしそうだとしたら、その銃口を舐めるなんてどうかしてるだろ。
かわいい見た目とのギャップがまた笑いを誘発させた。
(あれ、私の精神状態って大丈夫だろうか。)
水鉄砲といったらみどりやピンクの透明な、
子どもっぽいやつであってほしかった。
第2位：2018年5月放送 コロンくん（トイ・プードル)
2年以上前の放送のため、
フジテレビ公式サイトのまとめでも見ることができない。
(FODプレミアムなら閲覧可能)
残念だが、テキストのみで説明させていただく。
コロンくんはボール遊びが大好きな活発なわんこなのだが、
投げてもらったボールをご主人のところまで持ってこず、
その場に「ポトッ」と落とす。
そのとき、
「取りに来いや。」
という顔をするのである。
ボールを落としたときの、人を小ばかにしているようで、
一方でどこか申し訳なさそうな表情が忘れられない。
先述した通り、わたしがトイ・プードルをあまり好きではないのは
いつもせかせか動いていて、あまり人間の言うことを聞かないイメージがあるのに
可愛さにステータスを全振りしているような印象を受けるからだった。
(むしろ、そんなトイ・プードルのことを可愛いがっている人間があまり好きではないのかもしれない。)
しかし、コロンくんは違った。
何百とみてきたトイ・プードルの中でも孤高の存在というか
達観した何かを感じるのだった。
第1位：2020年10月放送 キングくん(シベリアン・ハスキー)
私の中では、ぶっちぎりで1位である。
むしろ、キングくんを超える存在を見たくて、
『きょうのわんこ』をまとめ見するに至ったといっても過言ではない。
下記にリンクを貼らせていただいたので、ぜひご覧いただきたい。
簡単に説明すると、キングくんはあまりにも太りすぎてしまったわんこで、
その巨体ゆえ、家の階段が降りられないわんこなのである。
散歩のたびに、1階にいるお母さんから呼ばれるのだが
階段が怖くて自分の足では降りられず、
階段の手すりから顔を出して寂しそうにする顔がまずたまらない。
そして仕方なくお母さんに抱えられて階段をおりるのだが
大変そうなお母さんの様子と、抱えられているキングくんの顔が大爆笑ものなのである。
この映像を見た時、私は腹を抱えて床に転げ落ちてしまった。
まさに、名実ともにキングとなった瞬間だった。
おわりに
『きょうのわんこ』を全部見てよかったと思うこと
・以前より多様性を受け入れられるようになった気がする。
多種多様なわんこたちを見てきたが、1匹とて同じわんこはいなかった。
みんな個性的で、日々の暮らしを満喫しているところを見てきたことで
どんな個性も等しく素晴らしいものだと思えるようになった。
冒頭、トイ・プードルがあまり好きではないと言ったが
今ではトイ・プードルも、そのほかどんなわんこも大好きだと胸を張って言える。
・心が穏やかになった。
外出自粛によって、旅行はおろかちょっとした遠出や外出がしづらい世の中だ。
私も在宅勤務で室内にこもりきりの毎日が続いていて、ちょっと疲れていた。
そんな中で、全国各地、四季折々の風景に囲まれながら過ごしているわんこたちを見ることで、
心が癒されている自分に気付いた。
・全国の地名に詳しくなった。
愛知県名古屋市天白区って名前、カッコよくないか。
・タイピングが少し速くなった。
・犬種に詳しくなった。
・不思議な出来事に遭遇した。
『きょうのわんこ』をまとめ見していることは特に誰にも言っていなかったのだが
私の周りで3人の人たち(しかも普段あんまり話さない)が、
急にわんこを飼い始めた、と私に報告してきた。
こんなことってあるだろうか。
犬を呼び寄せるような体質になってしまったのかもしれない。
しかも、3匹ともそろいもそろって、トイ・プードルだった。
